Linux on VAIO
Linux実験コーナー
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「Time dependence of the discharge of S-Battery with VAIO505G」
VAIO505G使用時でのS型バッテリーによる放電の時間依存性

バッテリーでのVAIO使用時間は、状況にも依るが、
S-Batteryで約1時間20分程度である。
APMを有効にしていれば、バッテリーの消費具合を、
パーセンテージで知ることが出来る。
今回、ほぼ一定した使用状態を保ったまま、
APMが示すバッテリーの減少傾向を時間的に測定した結果を報告する。


実験1、バッテリー放電実験

測定機器
   VAIO 505G (memory 64Mb)
   VAIO専用リチャージブルバッテリーパックS型(PCGA-BP51)
   PCMCIA EtherCard PCC-T

BIOS条件
   5分でCPUサイクリング
   10分でサスペンド

測定条件
   kterm*2、mule、Netscapeを立ち上げて、主に端末的に使う。
   意図的なサスペンドは行わない。

測定方法
ACPower-Plugを抜いた後、およそ20秒毎にAPMの出力先である /proc/apm にアクセスし、その時間とバッテリーの残り容量の情報を得る。使ったスクリプトはここ


測定結果

グラフ1

グラフ1:   ここではバッテリー駆動に入った時を0分として、本体がハイバネーションに入りかける容量の9%になるまでのバッテリーの時間変化(横軸の単位は分)を表している。
目立つ特徴は、放電の始めと終りの部分とで若干の乱れがあるものの、全体的には非常にきれいな線形を保っていることである。しかし、バッテリー駆動開始5分程度で一気に100%が85%まで値が下がってしまうのは、バッテリーの特性であろうが、少し残念だ。


グラフ2

グラフ2:   この図では、変化が一定であるグラフ1の中間部分に対して直線でFittingを行い、その結果を重ねて描いている。青で描かれたラインがFittingの結果であり、そのパラメータも載せてある。


考察

グラフ2の結果から、グラフの傾きはほぼ1:1になっており、このことから、「APMの示すバッテリー容量1%は、ほぼ1分の駆動に換算できる」ことがわかる。

したがって、APMのパーセンテージはほぼそのまま分に直せる。ただ、その傾向が顕著なのは明らかにバッテリー容量の80%程度以下の領域であり、それ以上の領域については、ふらつきが観測された。さらに10%を下回る領域では、BIOSがバッテリーの警告を発し続けており、いつハイバネーションを起こすか分からないので、この時点では速やかにPower Plugをさすか、サスペンドに移行すべきである。

したがって、実際使える時間は、80分程度となるのである。


実験2、バッテリー充電実験

実験機器、BIOS条件、実験条件は同じ。

実験方法
バッテリー容量が11%程度の時からAC-Power Plugを差し込み、使用状況をそれほど変化させずに充電させつつ、使用した。20秒毎にデータを取る条件等は実験1に準じる。

グラフ3

グラフ3   :上記条件にて、得られたバッテリーの充電量の時間変化を示す。 約80%程度まではきれいな直線を描いているが、そののち100%まではまた異なる傾きの直線を描く。

グラフ4

グラフ4   :グラフ2に、実験1で得られたバッテリー放電のグラフ1を時間軸を逆転させて原点をそろえた後、重ね書き(青いライン)してある。


考察

グラフ3から、充電において、100%に達するには約160分かかることがわかる。だが80%までなら、ほぼ70分で済んでいる。これは、放電時間とほぼ等しい。
面白いのがグラフ4である。これを見ると良く分かることであるが、バッテリー容量10%以上から80%程度の部分は、充電も放電も見事な程、同じ傾きの直線である。これはただの偶然なのだろうが、結構不思議な感じがする。


まとめ

充電の効率と言う意味では、80%まで充電<---->10%まで放電を繰り返すのがもっとも良い。ただ、実際問題としては効率よりも、絶対値、すなわち実際の時間が長いほうが良いわけで、結局は3時間弱の充電で100%にしてから使うのがベターと言うことになる。
しかし、85%以上の充電にはかなり時間がかかる(およそ1時間)ため、急ぎの時はせいぜい1時間で十分である。更に1時間半かけて充電しても、放電時100%から85%になるのに、せいぜい5分しかもたないことが確実だからだ。

また、このバッテリー領域で具体的にグラフの傾きから、どの程度違いがあるかを計算すると、
   放電:100%->85%では、80%以下の時より約3.7倍早く放電、
   充電:85%->100%では、80%以下の時より約4.3倍遅く充電、
という結果となる。


感想

いやあ、やっぱり電池と言うのは誰かさんのように、熱しやすく醒めやすい、じゃなくて、放電しやすく、充電しにくい部分があるわけですね。
これはもう、充電可能なバッテリーの仕様というか、宿命というか、
当り前ですが、VAIOに限らないですね。
そこを活用するか、切り捨てるかは各人の状況と思惑によるわけ。

でも、いざ使ってみると、1時間20分は結構短い。
かといって、L型バッテリーもあるけれど高いしね。
それより、ハードディスクが・・・・(話がずれてる!)。


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