VAIO de Mac
Fusion-PC編

このページでは、著者所有のSony VAIO PCG-505GへFusion Demoバージョンのインストールを行った経験から得たことを述べておりますが、あなたが以下の記述によりインストール作業を行った結果に対しては、著者はなんら責任を持ちません。自己の責任で作業してくださいね。


2)インストールの手順と注意点

手順は大まかに以下の通り
*) インストールの前に
A) Fusion各種ファイルのインストール
B) MacintoshのROMイメージの作成
C) MacOSの準備
D) セットアップ (作ったファイルを機能させる)
E) 仮想MacOSの起動確認(Floppyから)
F) 本格的な仮想MacOSの構築(HardFileへ)


*) インストールの前に
作業前に行うことはは2点
  ・以後の作業は、Dosモード
    (Windowsの終了時に”Dosモードで再起動”を選ぶ)にて行う。
  ・さらに、Dosモード上でUS(英語)モード
    (コマンドプロンプトで”us”と打つ)に変更しておく。

A) Fusion各種ファイルのインストール

 まず、Fusdem12.exeを起動する。その結果同じディレクトリにFusion.exeやInstall.exe、Setup.exeなどディレクトリを含めて新たに6つのファイルが解凍される。そののちinstall.exeを実行する。
  c:\temp>fusdem12.exe
  c:\temp>install.exe

 特に指定をしなければc:\fusionのディレクトリを作成し、その中に各種ファイルがインストールされる。この後は先ほどのファイル6つは消去してかまわない。


B) MacintoshのROMイメージ作成

 これは簡単で、68KMacintosh上で作業を行う。ROMUTL.HQXを解凍した後に現れるROMUTLアプリケーションをダブルクリックで起動すれば自動的にROMイメージを作成される。できたファイルはQuadra.ROMといった具合に名前を変更しておく。拡張子を.ROMにしさえすればどんな名前でもかまわない。
出来上がったROMイメージファイルをAT/PC互換機のFusionと同じディレクトリに入れておく。


C) MacOSの準備

 取りあえず起動を確認するためだけに利用するのでFloppyからの起動を行う。適当なMacOSに付属の緊急用ディスク(通常ディスクツール)を一枚用意すればよい。本格的にシステムをインストールするのは、起動を確認した後でかまわないだろう。


D) セットアップ

 これまで準備した各種ファイルを結び付け、仮想MacOS下の動作を設定する。Fusionディレクトリの中へ移動し、setup.exeを起動する。
だが、その前にマウスドライバーをインストールする必要がある。mouse.comならFusionディレクトリか、pathのとおった場所に置いておいて、プロンプトでmouseと打つ。mouse.sysだとconfigファイルでデバイス指定を行って再起動しなくてはならない。
 Fusionの起動画面が現れた後、設定画面が出てくる。一応黒の四角形のポインターがマウスやパッドで動くことを確認しつつ、各種設定を行おう。詳細は下に一覧にして示してある。
 ちなみにsetupを終了するにはAlt+xか画面の左上隅の色の違うブロックをクリックする。
 各項目をクリックすれば、それぞれの設定の画面になるので、選択してやればよい。
以下に示すそれぞれの項目の設定をおえたなら、Launch Emulatorをクリックすれば、いよいよ仮想MacOSが立ち上がる。しかし、その前につぎの項目へ。

設定項目一覧
ADVANCE 仮想MacOSからAT/PC互換機を何だとみなすかを指定する。通常はROMイメージが1MならQuadra系列、そうでないならMacII系列でいいだろう。
VIDEO Videoドライバーを選択。今回のデモバージョンでは一種類しか選べないのでそれを選択してSelectボタンを押しておく。
FLOPPY Floppyのデバイスを指定。通常はA:が選ばれているはず。
DEVICES 仮想MacOSが認識する仮想HardDiskすなわちHardFileを選択するが、最初は準備していないので何も選べない。
今回の目的はフロッピィから立ち上げることであるが、仮想Macの中でHardDiskがどう扱われるかを知りたいので、この場でHardFileを作る。作業は簡単で、DEVICESの画面内にあるOPTIONSボタンをクリックしよう。そしてCREATE HARDFILEをクリック。あとは名前をつけてやるが、このときファイル名は***.HFx(xは0から9までの数字。)という形にする。まあ、Fusion.HF1とかしておけばよいだろう。あとはディスク容量を決めてやるが、デモ版では最大100MBまでであることに注意。
PORTS シリアルポートの設定だが、デモバージョンでは使えないので無視。
ROM FILE これはii)で作成したROMイメージを選択すればよい。ファイル名が***.ROMであれば表示されているはずだ。クリックで選択してSelectボタンを押しておこう。
SOUND デモバージョンでは未サポートってわけで無視。
CD-ROM もし、DosでCD-ROMのドライバーが認識されていれば、選べる状況になっている。
ADB 仮想MacOS上におけるキーボードとポインティングデバイスの設定。
SCSI デモバージョンではこれまた未サポートってわけで無視。
NETWORK またまた未サポートで無視。
MEMORY 仮想MacOSでのメモリーを確保する。デモバージョンでは8Mbまでしかとれない。今回は上限いっぱいまで確保しよう。適当に矢印をクリックすれば、メモリーを確保できる。
CONFIG 以上の設定をSaveしたりLoadしたりする。適当に設定すればいったんSaveしておこう。
SYSINFO 現在のAT/PC互換機のシステムに関する情報が確認できる。特に設定事項無し。


E) 仮想MacOSの起動確認

 C)で作った起動用のフロッピィディスクをドライブに入れる。その後、D)のSetup画面から、Launch Emulatorをクリックするか、Configで設定をSaveしてSetupを終了、コマンドプロンプトからFusion.exeを起動する。
設定が妥当であれば、すぐにFloppyを読み込みにいって、Happy MacがあらわれてMacOSが起動し始めるだろう。
最後、ファインダまで辿り着いたなら、おめでとう、ではなくてsystemがHardDiskのフォーマットの許可を求めてくるのではい(Yes)を選ぶ。
これで、Floppyベースではあるが、MacOS on PCが立ち上がったのだ。

どうです、新しい世界への入り口に立った気分は?


F) 本格的な仮想MacOSの構築

上記の部分まで実行できた人にとっては、一刻も早く内部のハードファイルにシステムをくみこんで、そこから起動したいと考えておられることと思う。これから、その部分についてお話しよう。

 以前にも書いたがハードファイルは、Macintosh上でのImageFileと同等のものである。仮想MacOS上では、見かけ上実際につながっているハードディスクと何ら違いは無い。だから、ソフトのインストールもMacintoshと同等に行える。

VAIOでは専用CD-ROMドライブならそのままDOS上で認識できるため、Fusionのセットアップで、CD-ROMドライブを指定してやれば、仮想MacOSでCD-ROMドライブを認識できる。
さて、このことから、手持ちのMacOS7.6のインストールCDを用いて、システムのインストールを行うことにした。その方法はMacOS7.6に付属のインストールFloppyDiskによって起動、そしてCD-ROMからシステムインストールという手順である。Floppyの起動や、CD-ROMの認識、インストーラの起動まではうまく行ったものの、インストーラの中でOSのインストール先を設定するときに、どうしてもハードファイルを選べないのである。インストーラのボリューム識別がうまくいっていないようである。

以上の結果から、今手元の環境をかんがみて、以下の方法をとることにした。
状況、
EtherCard経由によるLANへの接続が可能。
すでに、MacもLANに接続している。
MacもしくはVAIOでFTPサーバを立ち上げてデータをやり取りできる。

結論、
Mac上で、ImageFileを作り、その中にシステムを構築、しかる後にVAIOへ転送する。(参照:FAQ

本当はMOやZIPといったリムーバブル系の大容量ディスクでコピーしたほうが簡単なのだが、手持ちのVAIOに接続は(まだ)できないのでこの方法をとった。

※MO経由のデータ転送についてのTips

 もし、あなたがWinでMOを利用でき、MacでもMOをSCSI経由で接続できる環境を持っているのなら、MOで持って行くのが楽であろう。本来ではWinのMOフォーマットはMacでは読めないので、データの転送は不可能であるが、当然のごとくそれを可能にするユーティリティが存在する。
DMCP 1.4b3
 バージョンは違うかも知れないが、ネット上で検索すれば見つかると思う。
これを用いて、Mac上で製作したディスクイメージをDosフォーマットMOへ「Binary」で書き込めば、Win上で読み込めるだろう。

 このユーティリティを使うコツは、MOをいれたら自動的に認識するために機能拡張かコンパネが入っていると思うが、それを外してユーティリティを使うことである。
 でないと、このDMCPが動く前に、Macが先に認識しようとして失敗、フォーマットを要請して来るからだ。

Image Fileを作成するのに使用したのはAppleが提供しているユーティリティで、DiskCopy6.1である。
まず、適当なフォルダを新規につくり、これをDiskCopyを用いてDiskImage化する(参照:FAQ)。このとき、そのイメージの大きさは100Mb以下にし(Fusion demoは100Mb以上は認識できないから)、書きこみを許可する設定にする。
そして、Desktopにマウントする。あとは、適当なインストーラを用いて、この新たにマウントしたボリュームにシステムをインストールする。
インストールするときは、カスタムインストールを選んで、すべてのマッキントッシュ用システムをインストールしてやる。インストールが終われば、続いて不要なシステムファイルを取り除いておく。

※システムファイルの除去についてのTips

基本的にPowerPC用のもの、特定の機種にだけ用いられるものなどを中心に取り除くが、必ず取り除くべきものにアップルメニューオプションがある。これをいれたままFusionから仮想Macを立ち上げると、ファインダの起動中に必ずフリーズする。このアップルメニューオプションは、通常のMac上で共有設定での共有を始めるときに悪さする(共有のセットアップに非常に時間がかかる)ことが、報告されており、バグがらみのシステムファイルであるようだ。

さて、以上の作業を終えた後、このボリュームをImageFileに戻し、VAIOに転送する。今回はVAIOのWindows上でFTPサーバーを立ち上げて、EtherNet経由で転送した。このとき、かならずバイナリデータとして送ること。これがFusionでいうところのハードファイルとなる。
転送したファイルは***.hfx(xは0から9までの数字)の名前にして、Fusionフォルダに入れておく。
あとはsetup.exeを立ち上げて、deviceの設定でこのファイルを指定し、Emulatorを起動すれば、このハードファイルからシステムが起動するはずである。

おめでとう、ついに君は大いなるEmulationの世界を歩き始めた。
後は各人の環境による部分が多くなるので、研究してくれたまえ。


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