Kernel 2.2.xへの道(単なるアップデート)
〜顛末あれこれ〜




Kernel 2.2.xに色気をだしたわけ

私、Linuxの初心者なのである。
でも好奇心旺盛なのである、でもってKernelのバージョンアップである。


さて、現在VAIOに入っているLinuxのディストリブーションはVine Linux1.1である。
これに積まれているKernelは2.0.36である。別段このバージョンでなんの不満もなく使っていた。なんせ初心者ですんで。

だが、Kernel2.2.xのうわさはかねがね入ってきていた。最初に聞いたのは、VAIOのUSBが利用できないかとうろうろしていたところ、ドライバーを開発しているサイトを発見、しかし、「Kernel2.2.x以上でないと動かない」と書いてあるではないですか?
当時Kernelの再構築すらびびっていた私としては、これ以上の深追いはやめておいた。

さて、次に登場するのはBasilisk IIというLinux上で動くMacintoshエミュレータであった。これを動かしているうちに、エミュレータ上からEthernetへの接続を行いたいと思うようになった。Basilisk IIはFusion-PCとは異なり、Ethernetへの接続は可能である。そこでそのドライバー部分をコンパイルしてみた。結果は不可。必要なオブジェクトファイルがKernelのソースに含まれていなかったのだ。はたと考える。「作者はLinuxで真っ先にテストしていると言っている。なのに動かないとは?これ如何に。・・・もしかして、Kernelのバージョンが違うのか?」という結論に達する。今まで敬遠してきたはずのKernel 2.2が俺を悩ませ始める・・・。

更に続けて登場するのは、Software Design(技術評論社)という雑誌である。この9月号に特集で組まれていたのが「Linuxカーネル2.2、100%活用術」である。しげしげと眺めてみるに、改良点として挙げられていたのは
  • 「Symmetric Multiprocessingの大幅な改善」 まったく関係なし。
  • 「メモリの管理が賢く/早く」 本当なら超嬉しいかも。
  • 「ファイルシステムの改善」 今まで気にしてなかったけど良くなるならいいね。
  • 「デバイスドライバの追加」 これまでで不便無かったから別にいいよ。
  • 「新規のファイルシステムの追加」 Macのファイルシステムもサポートだって。
  • 「新デバイスIrDA」 おお、面白そう。
あといくつか書いてあったが、私に分かるのはこの辺り。

なんかよさそう!(by ココネ)

でも私のような初心者がやれるのか?
一応Software Designの特集を読んでみてやれそうな気になってきた。
まあ、失敗しても大した被害は無いしね。効果が体感できれば嬉しいね。



覚悟のインストール

つうわけで、やってみた、Kernel2.2.12へのアップグレード。
でもVine Linuxでは、正式にサポートはしていないし、そのことはシステム上の齟齬としてあらわれてくるはずで、それに対応できるかは未知であったが、やってみた。

Vine Linuxで2.2へ上げるのに必要なものはVine Plusという形で配布されているエクステンション集の中に存在する。
また、Vine Linuxでの詳細な手順は以下のホームページに詳しい。
私は全てをここでの手順にに従った。

http://plaza11.mbn.or.jp/~ysuzuki/vine/kernel.html

あとはこのページに記載された通りにやればおっけぇ。

んじゃ。

では寒いので流れだけを書くと・・・
  • とにかく必要なパッケージをそろえる。
  • バックアップ取れるものはとっておく。
  • 関連パッケージをアップデート
  • kernel-2.2.12.tar.gzを展開。
  • kernelの構築。
  • liloの書き換え。
  • 必要な人は
    • userlinkの再構築(ppxp用)
    • pcmciaの入れ替え

上記のページにある通りにやって、ほとんど問題が無かった。
kernelの構築時、当然コンフィグレーションを行うがこの時、Vaio純正のCD-ROMドライブが使えるようにすることや、APMの設定なども同時に行っておいた。

userlinkの再構築以外を行った。
kernerは2.2.12
pcmciaは3.0.14
唯一問題があるとすると、pcmciaのアップデートであった。この入れ替えによって、上記のホームページにあるように、RedHat式のpcmcia設定が使えなくなる。どちらかというと、Slackwareでのpcmciaの設定方法と同じである。Slackwareからはいった僕としては当時のインストールノートを引っ張り出して設定するだけのことである。こんなところでシステム上の齟齬を引き起こしているが、何とかクリア。

さて、全ての作業を終えて起動試験である。
Boot時にuserlinkの再構築しろと言われたが、その他はうまくいったようだ。
Login画面でもkernel2.2.12が表示されている。

また、使い心地などについては適当にレポートできるかも知れないし、しないかも知れない。だって、バージョンを上げたことによる恩恵が私に分かるかどうかは未知数だからだ。


<追加 24th-Sep-99>
Userlinkのアップデートを行った。
結果、ppxpが動くようになった、IrSyncがうまくいった、などの効用があった。
アップデートするのに利用したファイルは
ppxp-0.99072807-1.src.rpm
userlink-0.99-1.src.rpm
やり方はこのページにそのまま従う。





〜注意点〜

・Corega社 Ether PPC-Tカードの利用について
新規のpcmciaも入れたので、Ethernet card(Corega社 EtherPCC-T)を挿入してチェックしてみた。

ぴっぼっ。
つまり、ハード的に認識してもドライバーが認識不可という事だ。
チェックすべきは
/etc/pcmcia/config
/etc/pcmcia/config.opts
である。
ハード的に認識したという事は、/etc/pcmcia/configにはこのカードの情報が既に書かれているという事だ。
Corega社のサイトにあるように、pcmcia-3.0.10以降では問題ないはず。
/etc/pcmcia/config.optsは、以前Slackwareでやったのと同じ記述を行っている。

pcmciaのインストールがおかしいのか?
手持の別のEthernet Card(Dayna社 Ethernet Communicard)を試してみたところ、すんなりと接続できたので、問題はCorega社のカードへの設定ということだ。

いろいろやっているうちに、logを見てみることに気が付いた。
/var/log/messages
を見ると、cardmgrからのメッセージに注目した。
Dayna社のカードを挿入したときは正しく
Dayna Commnunications CommuniCard E Ethernet
と正しく認識していたのにもかかわらず、
Corega社のカードを挿入したときは
Allied Telesyn AT-2800 10/100 Fast Ethernet
という見たことのないカードとして認識されていた。
多分これだ。
早速/etc/pcmcia/configを覗き込んでみると、確かにAllied〜のカードの項がある。これをコメントにして、システムを再起動させた。
結果はうまくいった。
/var/log/messagesを見るときちんとCorega Ethernet Cardとして認識された。
やれやれ。pcmciaの勘違いというところか。

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